お米の等級検査とは?
「このお米は 1等米? 2等米?」という言葉を聞いた事はありますか?
"1等であれば間違いなくおいしい"のでしょうか?
「おいしいごはんを食べたい!」と思っている我々にとって"等級検査"とは、
どういう意味を持つ言葉でしょう。
この"等級検査"とは 昔々から行われてきた米の品位を評価する方法です。
今の時代は、お米は「美味しい米かどうか?」と云う価値基準で評価されますが、昔は"見た目の品位"で評価されていました。
今から30~40年前には、"日本一の米作り農家"の優劣の基準は「 収量 」でした。
いかに"多くの収量を上げるような技術を持つか"が鍵でした。
しかし、高度成長期を過ぎ、飽食の時代の襲来と共に、価値基準が「収量」から「食味」に変化してしまいました。
現在では、全国コンテストで優劣を競うのは「食味」に変わっています。
日本は 昔から"米"が 経済の中で大きな基準となっていました。
ですから、国の食料備蓄(確保)の観点から 保管中に劣化してしまっては大きな問題となります。
そのために 米の"等級検査"を行い"米の品位"を厳格に管理する必要がありました。
そこで 養成した検査員が米を見て「目視」で一定の基準をクリアした品質を等級認定して決定します。
お米は農産物ですので、その年の天候に大きく影響を受けて栽培されます。
そのため検査員は 毎年研修を行いながら、その年の加減を考慮に入れながら作業を行います。
最近は『含有水分量』『光学判定機』など品質分析判別器機も充実してきましたが、基本的には検査員の感覚により判定されます。
しかし、あくまでも「目視」作業なので、「炊飯」や「試食」などはありません。
「試食が無い、味見をしないから」からといって
この"等級検査"がまるで 時代おくれ という訳ではありません。
現在も心ない業者の中には、「中米」(未熟米と整粒米の中間の米)と呼ばれる米を、格上げして整粒米と混米して増量するなど、様々な品位の米が流通しています。
そのため厳格に品位を評価することも大変重要です。
時代の変化と共に消費者ニーズ自体が変貌をとげて行くため、
私たち米穀関係者も 時代の変化に合わせて対応して行く必要がありそうです。